ミャンマー視察レポート④ ミャンマーの日本語学校を視察してきました!


連載してきましたミャンマー視察レポートですが、今回で最後を迎えます。
第4弾はミャンマー国内の日本語学校についてご紹介させて頂きます。
近年、ミャンマーは内戦の影響もあり、日本に行きたい若者が増加しています。日本語学校では、そのような希望者に対して、日本語をはじめとした様々な教育を行っています。

外国人が日本に来るためには在留資格が必要となります。ミャンマーの若者が、来日に伴い取得することが多い在留資格は、「特定技能」、「技能実習生」、「留学」の3つです。目指す在留資格によって日本語学校の特色も異なります。今回は得意としている在留資格ごとに、1つずつ学校を紹介していきます。


トーシン日本語学校

1つ目の学校はトーシン日本語学校です。
トーシン様の学生の多くは、特定技能資格での渡日を目指しています。

トーシン様は2022年に開校した新しい日本語学校で、ヤンゴンのダウンタウンの近くにあります。
トーシン様では、「心・技・体」をバランスよく鍛える教育カリキュラムを実践されています。ミャンマーの若者達に、日本で収入を得ることだけでなく、自身のキャリアや次代のミャンマーのために貢献するという、中長期的な目標を持つことの大切さを伝えているのが、トーシン様の大きな特徴です。

学生の多くは、学校の近くに住んでいる方が多く、毎日通学しているとのことでした。
授業を拝見させて頂きましたが、正直、その質の高さに驚きました。私が見学した授業では、日本において気をつけるべきマナーについての動画を視聴し、そのテーマについて、グループごとに対話をして発表するという内容でした。
そして、そのグループごとの回答に対して、日本人の先生がコメントまたは解説をしていました。
まさにアクティブラーニングを採用されており、生徒の皆さんが生き生きと学んでいる姿がとても印象に残っています。個人の体感としては、日本の高校レベルの授業を受けているようでした。

トーシン様の校長であるトントンウー様、教育責任者のニンニンユー様、エグゼクティブマネジャーの森様には、今回のミャンマー視察において、大変お世話になりました。
特にニンニンユー様には、日本から一緒に帯同を頂き、大変心強く感じました。ニンニンユー様との出会いがなければ、このタイミングでミャンマーを視察することはできませんでした。素晴らしいご縁を頂けたことに心より感謝いたします。

送り出し機関 アンダマンエイト

2つ目の学校は、現在、富士市で働くミャンマー人の皆さんの出身校である、アンダマンエイトです。
アンダマンエイト様の学生の多くは、技能実習資格での渡日を目指しています。

アンダマンエイト様は、2023年1月時点で1,100人以上の生徒を日本に送り出しており、この実績はミャンマーでもトップクラスです。アンダマンエイト本校はヤンゴン郊外の広い場所にありました。その他にもミャンマーの地方都市で、いくつかの分校を運営されているとのことです。
経営理念を「学生の学生による学生のためのアンダマンエイト」としており、日本語教育はもちろんのこと、生活指導に力を入れている点がアンダマンエイト様の大きな特徴だと感じています。
アンダマンエイト様では、以下のステップで入国までの教育やサポートを行っています。

ステップ1 募集

ミャンマー各地で生徒の募集を行います。

ステップ2 選考会

エントリーがあった生徒の選考会を実施します。選考基準は以下の3つです。

①学力(IQ、算数)
②体力(ランニング、砂袋運び等)
③人柄(課題に取り組む姿勢、協調性等)

ステップ3 採用面接

日本の企業との採用面接を実施します。現在はオンラインで行うことが多いです。
合格したら、本人と保護者に丁寧に説明を行い、渡日の同意を得ます。

ステップ4 入国前講習

ヤンゴン本校に入寮し、5ヶ月程度の合宿生活を送ります。
ここがアンダマンエイト様の最大の強みだと私は捉えました。同じ企業に合格した生徒を同じ部屋にして共同生活をしながら学校で学びます。
これまで知らなかった者同士ですので、最初は様々な問題も生じるようです。しかし、彼女達には「日本に行って家族を支える、自らのキャリアを切り拓く」という共通の目標があります。そして、先生達の熱心なサポートのもと、数ヶ月の合宿を通して協力し合えるチームへと成長を遂げ、日本へと入国してきます。

富士の会社に内定が決まり、現在合宿中の16名(1名は当日欠席でした)にもお会いすることができました。何でも聞いてくださいと言うと、「私の会社はどんな会社か?」「寮はどんな場所にあるか?」「入国したら歌舞伎を見に行きたいがお金はいくらか?」等、答えきれない程の質問を頂きました。
彼女達が富士で働き、物心両面で豊かになれるよう精一杯サポートしていこうと、改めて強く思いました。
そして、いつもオンラインで対話をさせて頂いているアンダマンエイト代表のゼイさん、取締役のミョゾーさんと、現地で直接対話ができたことも大変嬉しかったです。家庭訪問の調整・同行を頂いたミンミン先生、オオキ先生、運転手さんにも心より感謝を申し上げます。

カズミチ日本語学校

3つ目の学校は、カズミチ日本語学校です。
カズミチ様の教室は、ヤンゴン市内の賑やかな商店街の中にありました。カズミチ様では、日本国内の日本語学校等に入学して勉強したいという留学資格での渡日を目指す学生が多いとのことでした。

教室の中に入ると、たくさんの生徒さんで溢れていました。ご丁寧に生徒さん達と対話できる場までご用意頂きました。偶然にも一番前に座っている生徒さんは、静岡県東部の日本語学校に留学する予定とのことで、静岡県や富士山の話題でとても盛り上がりました。

責任者のチョさんが、トーシン様のニンニンユーさんの友人というご縁で視察をさせて頂きました。
生徒さんが着ていたTシャツのカズミチ様のロゴが日本の文化に溢れていたこともあり、チョさんは侍のように誠実な方だという印象を持ちました。
チョさんは日本で観光のお仕事をしていた経験があるそうで、その時に大変お世話になった恩人がカズミチさんという方だったそうです。カズミチさんへの感謝と敬意を表して、学校名にしていると教えてくれました。
私も事業を通して、ミャンマー人と日本人との間にこのように素晴らしい絆をつくっていきたいと感じました。

最後に

4回に渡ったミャンマー視察レポートはいかがだったでしょうか?
レポートを通して、少しでもミャンマーのことや、富士山メソッドプロジェクトについて知って頂けましたら幸いです。

私は今回の視察を通して、新たな目標を見つけることができました。それは、関わる人やそこで働く人を感動させることができる素晴らしい目標だと確信しています。
その目標を見つけることができたのは、現在の混沌とするミャンマーの環境の中で、精一杯に生きようとする若い世代のミャンマー人の皆さんに直接会うことができたからだと思います。

彼等からは言葉ではなく、姿勢や行動から学ばせて頂きました。
私は40歳を迎えましたが、残された時間は決して多くはないこと。そして、人生は二度とはないこと。
従業員や応援してくれる皆様と目標を共有し、何としてもこの目標をやり遂げます。
レポートをお読み頂きありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。

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大道 和哉



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