私たちの取り組み
②1文を短くして、わかりやすくする ~今日からできる!日本語を使って外国人とコミュニケーションをとるコツ〜
新米日本語教師の大竹です!
富士山メソッドプロジェクトの担当者として、日々外国人の方々の生活サポートや日本語指導、外国人が働く企業のサポートをさせていただいております。
今回も、急増している在留外国人の方々とのコミュニケーションを円滑にする言語・手法として注目されている「やさしい日本語」をもとにしながら、今日からできる簡単なコツの第2弾をご紹介させていただきます。
(「やさしい日本語」の詳細は、こちらをご覧ください👉 https://fujisan-method.jp/info/851/)
コツ② 1文を短くして、わかりやすくする
前回ご紹介したコツ①「難しい言葉を避け、簡単な言葉を使う」はやさしい日本語の基本であり、すぐに意識することができるコツですが、
実際のコミュニケーションの中で「簡単な言葉」を瞬時に頭に思い浮かべ、それを表現することは、意外と簡単ではありません。
(コツ①はこちらでご紹介しています👉https://fujisan-method.jp/info/991/)
しかし、今回ご紹介するコツ②「1文を短くして、わかりやすくする」は、コツ①よりも情報発信側はコミュニケーションに取り入れるのが簡単で、なおかつ情報を受け取る側は内容が理解しやすくなるものです。
外国人はどんな文を「難しい」と感じる?
外国人の方が「難しいと感じる文」は、以下のような文章です。
- 明日は日本語教室があるので、午前10時に事務所に集合してください。
上記の文は、日本人の方にとっては簡単で見慣れたものですが、「日本語教室があること」と「事務所に集合してほしいこと」の“2つの情報と文”が入っているため、理解が難しくなってしまうのです。
基本的に「なので、」「だから、」等の理由・原因を説明する時に使う言葉や、「ですが、」等の逆の結果が後に続くときに使う言葉が入ると、長くて難しい文になってしまうということを覚えておくと良いと思います。
外国人はどんな文を「わかりやすい」と感じる?
使うと難しい文になってしまう「なので、」「だから、」「ですが、」等を使わずに、
“原則1文に1つの情報のみ入れる”ようにすると、外国人の方にとってわかりやすくなります。
上記の点をふまえて、先ほどご紹介した難しい文を簡単でわかりやすい文にすると、以下の表現となります。
- 明日は日本語教室があるので、午前10時に事務所に集合してください。
↓変換
◾️ 明日は日本語教室があります。
◾️ 午前10時に事務所に集まってください。
※「集合」→ N2~3レベルの難しい言葉なので、変換すると良いです。
わかりやすい文をつくる練習をしましょう!
ここからは、難しい文をわかりやすい表現に変換する練習をしてみましょう。
今回は3問用意しました。ぜひチャレンジしてみてください。
おわりに
練習問題はいかがだったでしょうか?
今回ご紹介したコツは、比較的実践しやすく、簡単なものであると思います。
「接続詞を使わずに、1文ずつ区切って伝えよう」という意識を持って外国人の方と接するだけでも、相手への伝わり方が大きく変わると日々の実践の中で感じています。
外国人の方の中には、熱心に伝えようとしてくれている相手に対して気を遣い、理解できていないのに「はい、わかりました」と返事をされる方もいらっしゃいます。これはお互いにとって良くない状況です。
したがって、わかりやすい1文で伝える ⇨ 理解できているかを都度確認する を丁寧に繰り返すことがとても重要であると私は考え、実践するようにしています。
また、コツ②を意識してコミュニケーションをとる癖をつけると、外国人以外への伝え方も自然と変化している感覚が私の中にあります。
簡単な言葉を選びながら1文を短くすることで、お子様ともコミュニケーションを取りやすくなったと感じていますし、どなたに対しても話が長くなりすぎないように、「伝えたい情報を整理してから話す力」が少しずつですが身についてきているような気がします。
やさしい日本語は外国人とのコミュニケーションのためだけに活用されているものではありませんので、身に付けていくメリットは大きいと実感しています。
日常や仕事において、私達の思いや考えを日本語で正しく伝えられるようになるために、次回以降も「やさしい日本語」に変換するコツをお伝えさせていただきます。
よろしければ、次回以降もぜひご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
大竹 岳