①難しい言葉を避け、簡単な言葉を使う ~今日からできる!日本語を使って外国人とコミュニケーションをとるコツ~

新米日本語教師の大竹です!

富士山メソッドプロジェクトの担当者として、日々外国人の方々の生活サポートや日本語指導、外国人が働く企業のサポートをさせていただいております。

ここでは、急増している在留外国人の方々とのコミュニケーションを円滑にする言語・手法として現在注目されている「やさしい日本語」をもとにしながら、今日からできる簡単なコツを情報提供させていただきます。
(「やさしい日本語」の詳細はこちらをご覧ください👉 https://fujisan-method.jp/info/851/

コツ① 難しい言葉を避け、簡単な言葉を使う

「難しい言葉を避け、簡単な言葉を使う」はやさしい日本語の基本であり、最も重要な部分です。

仕事や生活場面で外国人の方とコミュニケーションをとるために、いくらゆっくり丁寧に話しても、ひらがな表記だけの文書を作成したとしても、コツ①を意識しなければ伝えることはできません。

では外国人にとって「難しい言葉」「簡単な言葉」とはどんなものなのでしょうか?

外国人にとって「難しい言葉」とは?

日本語の習得状況によって個人差はありますが、多くの外国人は、会話場面において「敬語」を難しいと感じています。
具体的には、以下のような表現です。

<敬語>
どちらからお越しになりましたか?
・〜から参りました。
いかがですか?  など

また、日本語能力検定(以下JLPT)のレベルだと「N1〜N3」に該当するレベルの言葉は難しく、会話の中で使用すると伝わらないことが多いです。
(JLPTについて知りたい方は、こちらをご覧ください👉 https://fujisan-method.jp/info/892/

<N1〜N3レベルの言葉の例>
・飲酒(N1)
・喫煙(N1)
・氏名(N2~N3)
・出身(N2~N3)
・記入(N2~N3)  など

外国人にとって「簡単な言葉」とは?

対して外国人にとって簡単な言葉とは、敬語ではなく「普通(基本)の形」です。

普通の形という表現が少し曖昧ですが、「言う」「来る」「する」などの普通(基本)の形は、日本語教育の初期に学びますので、在留外国人の方々に伝わるやさしい言葉といえます。

日本語能力検定(JLPT)のレベルにすると「N4〜N5」レベルの言葉を原則使うようにしましょう。
しかし、どんな言葉がN4~N5レベルなのか、全て頭に入れるのは不可能だと思います。
「外国人の方に伝えたい言葉が、どのレベルなのか知りたい」そのような時に活用できるのが「日本語読解学習支援システム リーディングチュウ太」です。

会話の際に使用することは難しいですが、外国人の方に向けた張り紙や案内文書などを作成するときに大変役立つシステムです。使い方は以下の通り、とても簡単です。ぜひご活用ください。

① 調べたい言葉を入力して、「語彙」ボタンをクリックします。
※出典:リーディングチュウ太 Reading Tutor Homepage (tsukuba.ac.jp)
② 語彙のレベルが表示されます。
※出典:リーディングチュウ太 Reading Tutor Homepage (tsukuba.ac.jp)

簡単な言葉への変換練習

ここからは【外国人にとって難しい言葉とは?】で例示した言葉を、簡単な言葉へと変換する練習をしてみましょう。

おわりに

練習問題はいかがだったでしょうか。

今回ご紹介したコツを押さえるだけでも、外国人の方とのコミュニケーションは円滑になると感じています。
たとえ難しい言葉を使ってしまったとしても、相手の反応を見ながら伝わる言葉を一緒に探していけば、問題ありません。
簡単な言葉を探して伝えようとするその姿勢が、外国人の方とコミュニケーションを取る上で一番大切な心がけだと私は思います。

また、コツ①に関して私が心がけていることは、小学校低学年の方にも伝わる言葉を選ぶということです。
この意識を持つようにしてからは、外国人の方々に言葉を伝えることができる回数が増えたと感じています。
しかし、あくまでも「言葉選び」として上記の意識を持つというだけで、実際に外国人の方々を子供扱いするようなことは、絶対にしてはいけないと肝に銘じています。

日常や仕事において、私達の思いや考えを日本語で正しく伝えられるようになるために、次回以降も「やさしい日本語」に変換するコツをお伝えさせていただきます。
よろしければ、次回もぜひご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

大竹 岳

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