日本で働く外国人通信~日本で暮らす外国人の在留資格の現状~

Roadコンサルティングの大道桂三です。
私は富士山メソッドプロジェクトの担当者として、日々外国人の方々の仕事や生活に関するサポートをさせていただいています。
年々日本で働く外国人の人口が増加し、外国人と共生する社会が身近になっています。
このブログでは日本で働く外国人通信として、日本で働く外国人に関することをテーマに情報提供させていただきます。
今回は「日本で暮らす外国人の在留資格の現状」をテーマに投稿いたします。

1.日本人と日本に滞在する外国人人口の現状

日本人人口の現状と未来

日本人の現在と未来の人口についてご紹介いたします。
日本の人口は近年減少しており、2020年の総人口が1億2,066万人おりましたが、2060年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は40%の水準になると推計されています。

出典:内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」

 上記から、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれていることがわかります。
生産年齢人口の減少により、労働力不足は日本企業においても極めて重要な課題となります。

日本に滞在する外国人の現状

 一方で、日本に滞在する外国人人口は平成24年から毎年増加しています。
 令和2~3年はコロナウイルスによる影響で減少となりましたが、令和4年からふたたび増加し、令和4年時点で日本滞在する外国人人口は307万5,213人となりました。 今後も日本に滞在する外国人の人口は増加する見込みです。

出典:法務省/【第1表】 国籍・地域別 在留外国人数の推移

2.在留資格とは

 在留資格とは、外国人が日本で滞在するために持っていなければならない資格です。
 在留資格は現在29種類あり、外国人が日本に来る前に活動の目的を、日本の出入国管理局に提出し、審査後に29種類ある在留資格から、活動に適切な在留資格を付与します。在留資格によって、日本で活動できる内容が決まっており、許可されている以外の活動をしてしまうと、不法就労になってしまいます。
 それぞれの在留資格の詳細内容につきましては、出入国管理庁ホームページで掲載されておりますこちらをご確認ください。

3.日本で暮らす外国人の在留資格の現状

 令和4年度日本に滞在する外国人人口は307万5,213人と前述しました。
 以下は307万5,213人を在留資格別に区分したグラフとなります。
 1位永住者は28.1%、2位技能実習生10.6%、3位技術・人文知識・国際業務10.1%となっており、1~3位すべて日本で就労できることが可能な在留資格となります。

出典:法務省/【第1表】 国籍・地域別 在留外国人数の推移

続きまして、在留資格別の日本に滞在する外国人人口の推移のグラフが以下の通りとなります。

 「永住者」は平成30年末793,164人から令和4年末845,693人と微増しています。

 令和元年末から令和3年末で「技能実習」と「技術・人文知識・国際業務」の人数が減少しており、こちらはコロナウイルス感染による影響となります。
 令和3年末から令和4年末にかけて「技能実習」と「技術・人文知識・国際業務」と「特定技能」が増加しております。

種別令和3年末令和4年末増加人数
技能実習276,123人324,940人48,817人
技術・人文知識・国際業務274,740人311,961人37,221人
特定技能49,666人130,923人81,257人

 「技能実習」は日本で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転することによって、当該地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として、1993年に創設された制度です。
 2010年(平成22年)で約10万人から2022年(令和4年末)で343,254人と12年間で3.4倍に増加しています。

 「技術・人文知識・国際業務」は海外の「ワーキングビザ」に相当する在留資格となります。外国人が日本で働くことにより、外国人労働者が保有している専門的な知識や技術を日本へ還元することが目的の在留資格です。
 在留資格別の在留外国人推移においても令和4年末で「永住」「技能実習」に次いで3番目に人数の多い在留資格となります。

 「特定技能」は日本で人材の確保が困難な一部の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れることを目的として、令和元年(2019年)4月に創設されました。特定技能は創設された令和元年末は2201人でしたが、令和4年末では165,576人と、たった4年間で約16万人も増加しています。

                出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)
                   出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況(令和5年12月末)」
                   出入国在留管理庁「在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表」

4.おわりに

 今回は「日本で暮らす外国人の在留資格の現状」をテーマに、日本人と日本で暮らす外国人の在留資格の現状についてご紹介いたしました。
 日本は前述の通り、今後も人口が減り、高齢化率も増加し、日本人だけでは労働力不足となる未来が訪れることが明確な状況です。この労働力不足を解決方法の1つとして、外国人と共生していくことが必要不可欠な時代に突入していきます。
 今回の内容で、日本人と日本で暮らす外国人の在留資格別の人口が、現状どのような状況なのかをご理解いただけましたら幸いです。
 次回からは、特に日本で暮らす外国人の中で、日本で就労できる在留資格「技能実習」と「技術・人文知識・国際業務」と「特定技能」について、詳しくご紹介いたします。
 最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

大道 桂三

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