私たちの取り組み
技能実習生も資格は必要?現場で働くための講習について
7月下旬から8月上旬にかけて、当組合では新たに多くの技能実習生を迎えました。
今回は、実習生の受入れを進める中で企業様よりお問い合わせをいただく「技能実習生も資格が必要なのか?」というテーマについてご紹介いたします。

1.技能実習生とは
外国から日本に来て働く技能実習生は、日本の職場で技術や仕事の進め方を3年または5年間の期間で学び、将来は母国で活かすことを目指しています。
技能実習生が従事できる仕事は、91の職種と168の作業に分類されており、日本に来る前から「どの仕事を学ぶのか」を決めて来日するのが大きな特徴です。

出典:厚生労働省 技能実習制度 移行対象職種・作業一覧
2.技能実習生も資格は必要?
技能実習生であっても日本人労働者と同様に、作業内容に応じた資格や講習の修了が必要です。
作業内容に応じた資格や講習として、たとえば玉掛け・床上操作式クレーン・フォークリフト・ガス溶接・小型移動式クレーン・車両系建設機械運転などが挙げられます。
資格を持たない状態で作業を行うことは、本人にとって危険なだけでなく、企業側にも法令違反のリスクが発生します。 そのため、受入企業様には、技能実習生の業務内容を事前に確認し、資格が必要な作業であれば入社後に講習受講を手配することが重要です。
3.資格が必要な場合の対応方法
技能実習生が安全に業務を行えるよう、資格が必要な場合には、当組合では受入企業様と連携し、講習機関のご案内や申込手続きのサポートを行っています。
今回は「車両系建設機械運転技能講習」の受講事例をご紹介します。
「車両系建設機械運転技能講習」とは、機体質量が3トン以上のブルドーザーや油圧ショベルなど、建設機械の運転や掘削・整地作業を行う際に必要となる講習です。
この講習を修了すると、建設現場などで対象の建設機械を安全に操作することが認められます。
掘削・整地作業に従事する技能実習生2名を対象に、掛川クレーン学校様で講習を実施しました。
講習は6日間にわたり、インドネシア語の通訳サポートがある環境で、安全教育・操作実技・修了試験までを行いました。
掛川クレーン学校様では、連日にわたる講習の場合、宿泊施設の案内や宿泊先から学校までの送迎サポートも行っていただけるため、今回は2名とも講習期間中は宿泊しての受講となりました。
初日は緊張していた様子の実習生も、講師や通訳の方々の丁寧なサポートのおかげで、日を追うごとに操作が上達し、最終日には自信を持って建設機械を操作できるようになりました。 日本語での講習に不安を感じていた実習生でしたが、母国語通訳のサポートもあり講習内容も理解し、無事2名とも修了試験に合格して、資格を取得することができました。

4.おわりに
今回は「技能実習生も資格が必要なのか?」をテーマにご紹介させていただきました。
技能実習生が安全に業務を行うためには、法令遵守が重要となります。
当たり前のことですが、資格が必要な作業を無資格で行った場合には、技能実習生本人だけでなく、受入企業様にも法令違反となるリスクや行政指導などのペナルティが発生する可能性があります。
技能実習生が従事する職種によって必要となる資格や講習は異なります。そのため、受入前に必要な資格・講習を確認し、いつ・どこで受講するのか計画することが非常に重要です。
また今回ご紹介した講習事例の現場に立ち会わせていただき、資格取得は「作業ができる証明」だけでなく、技能実習生が安全に作業するための正しい知識を学び、自信を持って働くための貴重な学習機会であることを実感しました。
当組合も、監理団体の立場から受入企業様と連携し、技能実習生が安心して働ける環境づくりの支援に努めてまいります。
母国語での通訳に対応した講習情報については、JITCO(公益財団法人 国際人材協力機構)の下記ページでも確認できます。
👉 JITCO:多言語対応講習一覧
大道 桂三

