企業概要

1982年に富士市原田地区に設立された社会福祉法人です。1983年には、富士市内で2番目の施設となる特別養護老人ホーム鑑石園を開設しました。長年にわたり地域福祉に貢献し蓄積した信頼と実績を生かし、2005年には伊東市宇佐美に「特別養護老人ホームうさみの園」を、2012年には富士市間門に「特別養護老人ホーム富士まかど」を開設しました。
地域福祉の拠点として、一人ひとりが家庭や地域の中で心豊かに暮らすことができるような環境づくりとともに、施設内においては、入居者様、利用者様それぞれの人格を尊重し、安全で安心してご利用頂けるサービスの提供に努めています。

法人名社会福祉法人鑑石園
事業特別養護⽼⼈ホーム・デイサービス運営 等
法人理念「地域に拓かれた、地域に愛される、地域に信頼される」
従業員数213名

代表インタビュー

外国人雇用を開始した経緯を教えてください。

人口減少社会の中で、働く担い手は減少傾向にあります。そのような背景があるため、日本で働く外国人の人数は増えており、報道等を見る中で、良い面がある一方で課題があることも理解していました。
私は何とかその課題をクリアして、これからの日本の地域は多文化共生社会を目指していかなくてはならない。それは、単に担い手不足解消のためだけではなく、人と人との繋がりを大切にするという面においても重要であると考えていました。
しかし、実際に外国人を雇用するにあたっては、コミュニケーションの問題や仕事以外の部分のサポート体制等、不安に感じていた点が多くありました。そのような時にこのプロジェクトに出会い、スローガンである「富士山の麓、みんなが幸せになる」にはとても共感しました。このプロジェクトのサポートがあるお陰で、外国人技能実習生の雇用開始に自信を持つことができました。
実際に、初めての外国人の受入れということもあり、法人としても丁寧に準備を行いました。プロジェクトからのサポートを頂き、順調に雇用をスタートすることができたと感じています。

鑑石園
常務理事 加納孝則さん

外国人雇用は増えていくことが予想されます。
目指すべき理想の地域の姿をどのように描いていますか?

地域では人口減少が進む中、高齢化により住民の介護ニーズが高まっています。今後、介護の担い手を確保するために、間違いなく外国人雇用は増えていくと思います。地域で働く外国人が増える中で、2つのことが大切になると考えています。1つは、外国人から選ばれる会社・地域を目指すことです。私は、外国人のネットワークは、大きな可能性を秘めていると感じています。富士市が外国人を大切に迎え入れる地域になれば、そのことが発信されて、自然と外国人が集まってくるのではないでしょうか。多文化共生社会を目指した地域ブランディングを推進することにより、外国人の転入が増え、各産業を活性化させる源になると考えています。
もう1つは、外国人雇用が進んでいく中で、FMPのような支援活動を広めていくことです。私ども法人の力だけで、外国人雇用を行うのは困難です。恐らく、私どもと同じように考えている会社は多いと思います。支援機関に仕事の面だけでなく、生活面までをサポートをしてもらえたら、会社は安心することができます。FMPのように地域に根差した支援機関が、各地域に広がっていくことが理想的だと思います。
これからは、多文化共生社会の実現に向けて、企業、地域、行政等が協力をして、外国人雇用の拡大に伴う環境づくりが求められます。微力ながら、私もできる範囲で協力をしていけたらと思います。

上司インタビュー

外国人を迎え入れる上で、不安に感じていたことはありますか?

斎藤さん
コミュニケーションです。日本人ならばある程度の言葉で伝えれば察して動いてくれますが、それがどこまで通じるのかということを不安に感じていました。

稲葉さん
私も同じです。例えば、実習生が「はい、分かりました」と返事をしてくれたとしても、本当に理解してくれているのか。そのあたりがコミュニケーションの中で判断できるものなのかという点が気がかりでした。

鑑石園
介護課長 稲葉 辰美さん
介護職員 斎藤 陽子さん

実際に外国人と働いてみてどう感じていますか?

稲葉さん
最初は指示されたことを実行することで精一杯でした。しかし、一通りの業務を覚えてからは、仲間の動きを観察しながら、自分で仕事を見つけて主体的に動けるようになりました。気配りがよくできています。ミャンマー人は日本人と似ている部分があるのではという印象を抱いています。

斎藤さん
若くて元気な二人ですので職場が活性化したように思います。入居者様も実習生に対し、「どこの国から来たの?」「ミャンマーはどんな国なの?」と話しかけることも多く、施設全体が明るくなったように感じています。

一緒に働く上で工夫していることはありますか?

斎藤さん
実習生が「分かっています」と返事をしたとしても、日々の仕事の中で、理解が不十分だと判断した時には、何度も説明を行いました。それにより、実習生もしっかりと理解をしなければという意識が高まったように感じています。

稲葉さん
まず、文字で伝えるときは平仮名を使用しています。また、介護の現場では専門用語が多いため、日常的に使う単語に置き換えて、会話をするように努めています。

外国人インタビュー

日本で働く前に心配していたことはありますか?

スさん

コミュニケーションです。自分が思っていることを相手に伝えられるか、相手が話をしていることをしっかりと理解できるか、意思疎通を図ることができるかが不安でした。しかし、実際に働いてみたら、先輩達が丁寧に説明をしてくれたので安心しました。最近は少しずつ仕事にも慣れましたので、分からないことを積極的に聞けるようになりました。

カインさん

自分の失敗で、入居者さんに怪我をさせたりしないかが心配でしたが、現場で不安な時には先輩やスさんが手伝ってくれます。おかげさまで、これまでに事故等はなく、いつも安心して仕事をすることができています。また、介護の現場では身体の部位を指す言葉等、日常的には使わない日本語をたくさん使います。勉強していない日本語は全く分かりませんので、その時には分かったふりをせずに質問をするように意識しています。

仕事をしていて「やりがい」を感じることはありますか?

スさん

私は食事介助の時に、入居者さんが食事を残さずに食べてくれた時が一番嬉しいです。全部食べてくれると安心することができます。食事を残した時には、調子が悪いのか、もし夜にお腹が空いてしまったらどうしようと考えて心配になります。決して、入居者さんが「美味しかった」、「ありがとう」という言葉をかけてくれるわけではありません。でも、私は入居者さんが食事を全部食べてくれると、とても嬉しい気持ちになります。

カインさん

私は職員の皆さんと一緒に仕事をしている時が楽しいです。私より大きい身体の方を、みんなで協力して安全に移動できた時などは喜びを感じます。仕事で大変な日もあります。でも、大変な日ほど、仕事が終わった後には充実感を得ることができます。

日本に来てからプライベートで楽しかったこと等はありますか?

スさん

私はお休みの日に出かけることが大好きです。FMPではレクリエーションをやってくれるので、毎月とても楽しみにしています。これまでのレクリエーションの中で一番楽しかったのは餅つきです。日本の伝統行事を体験できたし、お餅もすごく美味しかったです。

カインさん

私は一生懸命勉強して、日本語能力試験N3に合格できたことが一番嬉しかったです。あと、日本に来て一番驚いたのは花火の音です。ミャンマーでは、花火を上げる機会はほとんどありません。そのため、戦争の音だと勘違いをし、スさんと飛び起きたことがありました。

これからの目標はありますか?

スさん

介護福祉士の資格を取得し、長く日本で働きたいです。その後のキャリアは介護福祉士を取得した後に考えたいと思っています。あと、FMPを通して、これから富士市で働くミャンマー人が増えてくれたら嬉しいです。

カインさん

日本語能力試験N2に合格することです。あと介護福祉士の資格も取得したいです。そして、10年間、日本で仕事をしたらミャンマーに帰りたいと思っています。ミャンマーでは、日本語を生かして、日本語の先生か通訳の仕事をするつもりです。
日本にいる内にやってみたいことは、ミャンマーの文化を伝えることです。ミャンマーの1年は毎年4月に始まります。その直前に行われる「水かけ祭り」は、水をかけることで1年の不幸やけがれを洗い流し、新年を迎えるという最も大切なイベントです。機会があれば、お祭りのことを伝えたり、ミャンマーの服を着て、音楽を流して、ダンスを披露したりしてみたいです。

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