外国人雇用・採用ノウハウ
技能実習生の「技能検定」に同行しました!
5月25日(木)に富士市内の事業所で技能実習を行っている10名の皆さんが受験した「技能検定」に同行いたしました。
当日同行した大竹より、当日の様子を報告させていただきます。
技能検定の概要
そもそも、技能実習制度の目的は?
技能検定の紹介に入る前にまず、技能実習制度の目的を整理します。
技能実習制度は我が国で開発され、培われてきた技能・技術・知識を開発途上国等に移転することにより、その国の経済発展を担う人を育てる「人づくり」を目的とした制度です。
技能実習の期間
技能実習の目的を達成するための期間は、最長5年間です。
1年目を「第1号技能実習生」2・3年目を「第2号技能実習生」4・5年目を「第3号技能実習生」と呼びます。
(※第2号技能実習を修了すると、日本での労働へと目的が変わる「特定技能1号」への移行ができる場合があります。この部分の詳しい説明は、本レポートでは割愛させていただきます)
技能検定の目的
上記に示した技能実習の期間中には、本レポートのテーマである「技能検定」が実施されます。
技能検定は、技能実習の目的に則った実習が日々適切に行われているかを確認するために行われるものであり、技能実習制度において重要な役割を担う行事です。
技能実習を継続するためには、検定合格が必須
実習生が実習を継続するためには、5年間のうちに3回実施される技能検定(基礎級試験・随時3級試験・随時2級試験)に合格する必要があります。
合格すると次の号へ移行し、実習を継続することができます。
不合格となってしまうと、再受験のチャンスが1度だけ与えられます。
再受験も不合格となってしまいますと、実習を継続することができなくなり、母国へと帰国しなければならなくなってしまいます。
技能検定の実施時期を図に表すと、以下のようになります。
技能検定の内容
技能検定には「学科試験」と「実技試験」があり、技能実習を行っている職種によって試験内容が異なります。
以下の表には、85の職種で実施するそれぞれの作業内容が記載されており、それぞれの内容に応じた試験内容が作られています。
(参考:厚生労働省 技能実習生の受け入れにあたって (技能検定関係) (mhlw.go.jp) )
技能検定 当日の様子
今回は入国して最初に挑戦する基礎級試験に同行させていただきました。
ここから試験当日の様子をお伝えいたします。
試験会場に到着
この日の試験会場は、静岡県立工科短期大学校でした。
学校の中には、県内の技能検定の実施を担当している「静岡県職業能力開発協会」の事務所があり、当日の試験の運営は職業能力開発協会の方々が担ってくださっていました。
試験開始前の様子
試験を実施する教室の前に着くと、受験番号・氏名の確認と、試験実施上の注意事項の確認をし、教室内に入ります。
試験開始
基礎級試験では、ダンボールを組み立て、それをクラフトラミネート紙で包装する試験が行われました。制限時間は原則60分以内で、持ち点100点からの「減点法」で評価されます。
学科試験の制限時間も原則60分以内です。20問を二者択一式で答え、100点満点で概ね60点以上が合格となる、「加点式」の試験となります。
実習生の皆さんはこの日のために練習を重ねます。
特に実技試験は使用する器材やサイズの規定が多いため、受入企業での日々の実習に加え、個人での練習が必要となります。
試験前は皆さんから緊張感がひしひしと伝わってきました。
技能検定の同行を通じて感じたこと
今回の技能検定の同行を通じて、技能検定の様子を知ることができたことはもちろんですが、実習生の皆さんの強い「覚悟」に触れることができたことが、私にとって一番大きな気づき、学びとなりました。
これまで実習生の皆さんのことをサポートさせていただく中で、色々な表情を見てきましたが、試験前の皆さんはこれまで見たことがないほど緊張されている表情でした。
それは「自分自身や家族の将来のために、絶対に合格するんだ」という強い覚悟の表れだと私は感じました。
このような強い覚悟を持って日本に来られた方々をサポートできることは、大変幸せなことであると同時に、責任があると改めて思いました。
「富士山の麓でみんなが幸せになる!」というスローガンを実現するために、技能検定は大変重要な行事であることを、今回の同行を通じて改めて学ばせていただきました。
今後も適切で誠実なサポートができるよう、努めてまいります。
大竹 岳